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東横イン問題

横浜市内のホテル2棟の身障者用施設を違法改造したことが発覚し、今やどこまで問題が広がるのか見当もつかない状態になってしまった東横インの不正改造問題。同業者として(私は一介のホテルマンですが)見過ごせないだけに、その問題を整理してみたいと思います。

問題のポイントとしては、

・民間建築確認検査機関の完了検査を受けた後に、身障者用の客室や駐車場を会議室やロビーに改造
ハートビル法、市福祉まちづくり条例など、各法律・条例違反と悪用
・身障者に対する不適切な発言(ある意味これが一番の問題)

などが上げられます。

サービスやブランド価値などの付加価値で客室単価を上げることが出来るシティホテルと比べ、単価の下がるビジネスホテルは客室の稼働率を上げることが至上命題。宿泊料金をできるだけ安価に提供し、サービスの質をあまり落とさない方向でやってきた東横インは全国に広がりました。

利益をより上げるためにはできるだけ客室数を確保することが必要になるわけですが、そこで良からぬところに目をつけたのが電気屋の息子であった西田憲正社長。ハートビル法や条例に沿って建築すれば「容積率算定の際の特例」を受けられることに目をつけ、建築確認用と改造用の二種類の設計図を事前に作製。建築確認用の設計図に基づいて完了検査をパスし、検査後は改造用の設計図に従い手直ししていたという確信犯ぶり。結果的に上限容積率をはるかにオーバーするホテルを建設しました。(容積率についてはこちらを参照)

その手法は身障者を冒涜する行為であり、耐震強度偽造問題で揺れている今にあって建物の違法改造は普段より強く非難される状況です。しかし、トップである西田社長は認識の甘さと危機管理の出来なさ加減を皮肉にも披露してしまうことに。

東横イン問題_b0063267_1543816.jpg違法性については
「条例違反の認識はあった。時速六〇キロで走るところを六七、六八キロで走ってもいいと思っていた」
と開き直りつつ薄笑いを浮かべ、

「身障者用の客室は年間一、二人しか利用がない。正面に(身障者用)駐車場があるとホテルとしての見てくれが悪い」
と身障者を差別するような発言をする始末。はっきり言って、企業のトップとして激しく失格な人物です。


その後不適切な発言があったと謝罪していますが(東横インHPのお詫び文章)、間違いなく社長自らが書いたものではないでしょう。

身障者ではありませんが、2003年に熊本で起こった「ハンセン病元患者宿泊拒否事件」を西田社長は知らなかったのでしょうか。ハンセン病元患者を一時宿泊拒否した「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」が風評被害などから廃業に追い込まれた事件がありました。ハンセン病に対する正しい認識が世間に広まっておらず、偏見と誤解からとんでもない事になってしまったわけですが(ホテルに対する同情意見も多いです)、この一件からハンディを抱える人たちにより一層しっかりした対応を求められるようになりました。その上でこんな失言をしてしまうのですから、いかに利益偏重で他を無視してきたかがよく分かります。

他にも行政指導が是正されてなかったり、改修せずに見切りオープンしてみたり、消防法を丸無視したようなことをしてみたり、ひどいところです。東横インには、このことを知った後で泊まろうとは思えないですね。このことがホテル業界全体の印象を悪くすることに怒りを感じます。さっさと直すべきところを直して社長を辞任するのが一番でしょう。しかし、こういう輩は根性も往生際も悪そうだからなぁ・・・どこかに最近話題になったそんな人がいたような。



東横イン問題_b0063267_2371540.jpg東横イン問題_b0063267_2374862.jpg








雰囲気とか目の辺りが似てますよね。やっぱり似たもの同士?(ォィ
by shock226 | 2006-02-04 02:42 | 日想


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