欧州で外国人枠が無くなる?

スペインで第2のボスマン判決か?

ルクセンブルクの欧州裁判所は、ロシア人サッカー選手イゴール・シムテンコフ(元CDテネリフェ所属)が「EU圏内選手と同様の扱い」を求めて提訴していたことを認め、スペイン国内で有効とされていた外国人制限枠を事実上、失効させました。

今回問題とされたのは、「クラブは国内レベルの選手権において、EUに加盟していない第3国の選手を限られた枠内でしか使えない」というスペイン国内で実施されてきた制限。判決は、「ロシアとEUの協力協定を根拠として、ロシア人の選手は外国人枠に相当する第3国の選手とはみなされない」と言い渡しました。

さて更に問題となるのは、この協力協定と呼ばれる「APC協力条約(コトヌー協定)」(2003年4月1日施行)。もともとは関係諸国との経済協力協定のようですが(リンク先参照)、その条項にあるパートナーシップや人権の擁護といったところが判決に影響したのでしょうか。

ちなみに協力協定が結ばれている国はロシアのほかに、マグレブ諸国(アルジェリア、モロッコ、チュニジア)や、ACP諸国計77カ国(EU諸国の植民地だったアフリカ、カリブ海諸国、太平洋諸国)と結んでいます。締結した国出身の選手であれば、スペインのカップ戦に参加できるということになってしまいますね。

外国人制限枠が失効させられてしまったスペイン。この判決により、スペイン以外のEU圏内国でも外国人枠が失効させられる恐れがあります、というかそうなってしまうでしょう。その先に待っているのは、イングランド・プレミアリーグのような多国籍リーグなのかも知れません。アーセナルのように、スタメンに母国選手がいない状態がスペインでも見られるかも。その後は自国の選手が試合に出場できず、思ったように育成が進まずにナショナルチームが衰退していく姿が想像できます。

第2のボスマン判決とも言われそうな今回の判決。選手の名前からシムテンコフ判決と呼ばれそうな感じですが(個人的にはイゴール判決のほうが言いやすい^^;)、この判決を受けて今後各国リーグがどういった動きを見せるのか、注目したいです。

ボスマン判決・・・プロサッカー選手の契約が終了した場合の移籍の自由、EU圏内の国籍をもつ選手の同圏内での移動の自由が認められた判決。

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訴えを起こしたイゴール・シムテンコフ。CDテネリフェとの契約下にあった1999年から2002年にかけて、米国のMLSのカンザス・シティー・ウィザーズでプレーしていました。
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by shock226 | 2005-04-15 20:43 | 海外サッカー


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